Population Analysis



Frank Weinhold 教授らが開発してきた、Natural Bond Orbital (NBO) 解析は,端的に説明すると,次のようなことです。分子構造の実際は,ルイス構造からずれていて,その電子的なずれを電荷移動と定義して解析していきます。結合軌道の電子が、近接の半結合軌道に移動したとみなしています。分子内、分子間相互作用ともに、取り扱います。材料設計,医薬品設計への応用が期待されています。これを分子軌道法を使って解析していくのです。たとえば、ベンゼン核のルイス構造は,二重結合と一重結合の交互に繋がった六角形と考えますが,結合距離が等価なので,実際は共役していることは実験的に確かめられています。このようなことを,解析するのが,NBO 解析です。そして、分子構造の本当の姿、自然な結合軌道を解析しようとするものです。

実際の計算は,Gaussian 09 のサブル-チンのひとつとして利用され,最適化計算は,Gaussian 09 の Hartree-Fock や DFT 法で解析し,NBO 解析は,ポピュレ-ション解析として取り扱います。 Gaussian 09 の NBO 解析は,直説法の SCF 計算を利用出来ますから、大きい分子系に応用できます。まだ、現在では,いくつかの制限がありますが、その制限内で,NBO ver. 5 は使用することができます。

超共役に関しての、東北大学の研究例がありますので、ご覧ください。  この研究例 PDF file では、NBO 解析の deletion 法をうまく使っています。分子構造の安定性を、NBO 法という理論で、定量的に解析できるようになっています。NBO 解析は、従来の有機電子論を発展させたものと考えてよいと思います。

注目されているのは、分子間相互作用の電荷移動エネルギ-も解析できます。たとえば、水分子間の電荷移動では、酸素の原子のロ-ンペア-が、隣接の OH 結合の半結合軌道に電荷移動していることが解析できます。ロ-ンペアは、局在化しているときは不安定で、安定化するためには、非局在化する必要があると考えて、その安定化エネルギ-を算出するものです。このように、分子間相互作用の典型的な例である、水素結合における電荷移動エネルギ-の安定性を説いています。分子力学法では、この電荷移動を正しく見積もっていないので、誤りが生じるのです。

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